面接の合否を判断する際に注意すべきこと
今回は面接を実施する際の合否判断の注意点についてまとめます。
応募者の合否を判断する際は、自分自身の評価のクセを理解し、第一印象や限定的な情報に左右されず、事実を基に絶対的な基準と照らし合わせて判断することが大切です。簡単なように思えますが、実際に面接をやってみると意外と難しく感じるはずです。
どんな時でも、誰に対しても判断基準をぶらさずに、冷静に合否を判断することが求められる。それが面接官の仕事です。
合否判断時に気を付けたい4つの代表例
ではどのような点に注意しながら合否を判断すべきなのか、代表的な4つの例についてまとめました。
第一印象が良いだけですべてが良く見える
一つの点が素晴らしかった場合、全てが良く見えてしまうことや、応募者が面接官自身より優れたの能力や特性をもっていた際に過大評価してしまうなど、偏った評価をしてしまうことがあります。
ハロー効果と呼ばれるものですが、「明るく元気なあいさつで笑顔も爽やかなので、この人は弊社でも活躍できるだろう・・・」、「ネクタイが緩んでいるから、仕事もプライベートもだらしなさそうだから不採用にしよう・・・」と、一つの点だけで、その人の適性を決めつけて合否を判断することはとてもリスクが高いです。
直前の応募者が優秀だったため、本来合格にすべき人を落としてしまう
新卒採用のピーク時だと朝から晩までずっと面接が続くという日もあります。朝一の面接に参加した応募者が非常に優秀だったりすると、その次の回に参加した応募者が劣って見えてしまうことがあります。
対比誤差と呼ばれるものですが、本来合格とすべき人であっても、相対的な評価で不合格と判断してしまうことがあります。どれだけ忙しい日であっても、採用基準と照らし合わせた絶対的な評価で合否を出すことが面接官には求められます。
理系出身は計算が得意という思いこみ
「体育会出身だから体力があるのだろう」、「理系の大学を出ているから計算が得意だろう」「背が高いからバレーボールやバスケットボールをやっていたのでは」など、一つの事象から勝手なイメージをこじつけてしまうのもよくありません。
体育会出身でも体力に自信が無い人もいれば、文系で計算が得意な人も世の中には大勢います。ステレオタイプ評価と言われますが、面接官の勝手なイメージを押し付けることは絶対にやってはいけません。合否を判断するために必要となる情報を、1つ1つ丁寧に確認していくことが大切です。
すべての面接で統一の対応、統一の判断基準を
何度も面接を実施していると、面接官自身も慣れが出てきて対応が雑になったりすることもあります。朝一の面接と夕方の最終回の面接では、疲れから対応に差が出ることもしばしば。
面接官にとっては同じことの繰り返しでも、応募者にとってはたった1度の面接の場です。すべての面接で統一の対応、統一された基準による合否判断をすべきです。面接官が別の人に変わることで、話している内容や合否の判断ポイントが違う、という状況も避けなければなりません。
まとめ 誤った合否判断は大きな機会損失につながりかねない
以上が合否判断時の代表的な注意点です。
面接経験が浅いと、個人的な感情、感覚で合否を判断しがちです。誤った合否判断は自社にとって大きな機会損失につながりかねません。本来不合格とすべき人を、合格と判断してしまうこともよくありません。
面接官という仕事は地味で辛い仕事です。いかなる場面でも応募者1人1人と全力で向き合い、冷静に合否を判断していくことが求められます。その日、その時の気分で合否を判断してしまうような人は、面接官をやるべきではありません。
弊社では面接官を対象としたトレーニング、各種研修を実施しておりますので、初めて採用活動に携わる、面接経験が浅い、自己流ではない面接のスキルを身につけたい、などのお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせいただければと思います。
ライタープロフィール HRアソシエ 越野友介
採用コンサルティング会社での経験を経て、HRアソシエ創業時より加入。理系学科の大学卒を生かし、機械系や電気・電子系など理系採用のご支援で多くの採用成功実績を残す。企業、学生双方を深く知る身として、現場で得たノウハウを生かしたサポートが得意。